かもめパンのこだわり ~選ばれる理由は~

「かもめパンのこだわり」についてインタビューしてみました

代表取締役 藤江 嘉昭 FUJIE  Yoshiaki

 

イギリスのロンドン サウスバンク大学(London South Bank University)において、ベーカリー・テクノロジー・マネージメント(パン作りとベーカリー業界についての知識)を学ぶ。ロンドン留学中にヨーロッパ各国を廻り、パン・洋菓子はじめ各国の食文化を研究。現在は代表取締役としてパンの開発と会社経営を担う。

みなさまに愛される美味しいパン

~かもめパンが選ばれる理由~

 

 

 

現在、製造しているパンの種類が約200種類以上もあるそうですね。

 

(藤江代表取締役:以下略) 給食パンも含めると300種類ちかくあります。同じあんパンでも、もともとあった伝統のレシピを使ったあんパンに加えて、天然酵母を使ったあんパン、国産小麦を使ったあんパンなど次々に開発していくうちに、ここまで種類が増えました。

 

 

新商品の開発に積極的に取り組んでいるのですね。

 

商品開発のきっかけは、お客様からの要望に応えるというものが多いです。「イーストやイーストフードを使わないでほしい」「国産小麦を使ってほしい」などのご要望から、天然酵母シリーズ、国産小麦シリーズのパンが生まれました。最近では「アレルギーがあるので卵不使用のパンがほしい」とおっしゃるお客さまがご来店されましたが、ご要望に応じたパンを紹介することができました。

 

 

天然酵母パン、国産小麦パン、アレルギー対応パンなど、お客様のご要望に応じたパンがそろっている。

それが、かもめパンが選ばれている理由なのですね!

 

 

 

 

それにしても「かもめパンといえば給食パン」というイメージでしたが、いろいろなパンを作っていたのですね。

 

戦後まもなく横浜市が学校給食を開始して以来ずっと、かもめパンは小学校の給食パンを作り続けています。現在では横浜市立小学校341校のうち約100校の学校給食を担っているので「かもめパンといえば給食パン」というイメージが強いのかもしれません。じつは、事業の半分は直売と卸しです。

 

 

商品開発をするうえで、心がけていることは何ですか。

 

まずは「みなさまに美味しいと言っていただけるパンを作る」ということです。いくら素材にこだわっていても美味しくなければお客様に選ばれません。例えば、国産小麦シリーズを開発するときも、国産小麦ならなんでもよいかと言えばそうではありません。小麦によって風味や歯ごたえが変わってしまうのです。さまざまな産地の国産小麦を取り寄せて試作を重ねた結果、北海道産小麦の使用を決めました。

かもめパンのこだわり

~素材へのこだわり~

 

 

 

「みなさまに美味しいと言っていただけるパンを作る」そのためには、素材・原材料選びにもこだわりが必要なのですね。

 

小麦1つとっても様々な種類があります。国産小麦にもさまざまな産地があり北海道産小麦に決めたと言いましたが、じつは北海道産小麦と一口に言っても多くの種類があるのです。かもめパンの国産小麦シリーズでは北海道産小麦の『はるよ恋』『キタノカオリ』『はるきらり』『ゆめちから』などを、それぞれパンに合わせて使い分けています。どの小麦を使えば最高に美味しいパンができるのか、試行錯誤を繰り返し、試作を重ねて1つの商品が出来上がります。

 

 

美味しいパンを作るために、1つ1つ素材を厳選しているのですね。やはり素材は高価なものを使っているのですか。

 

かもめパンでは、安価な素材は使用しておりません。とはいえ、高価な原材料ばかりを使えば、どうしてもパンの価格が高くなってしまいます。そうなると「毎日食卓に並ぶパン」ではなくなってしまいます。気軽に買っていただける価格で、しかも美味しいパンをお届けするためには、素材選びにも非常に慎重になります。安い材料を使えばコストは抑えられますが、納得のいく味には仕上がりません。私たちは「気軽に買える価格の中で、毎日食べたくなる美味しさをどう実現するか」を常に考えながら、素材と製法のバランスを追求しています。

 

 

「毎日食卓に並ぶパン」であるならば、確かに「気軽に買っていただける価格」でないといけませんものね。

他にも素材へのこだわりはありますか。

 

最近お客様から、添加物や、特にマーガリンに含まれるトランス脂肪酸についてのお問い合わせをいただくことが増えております。弊社では、使用するマーガリンをすべて「トランス脂肪酸が1%以下のもの」に切り替えました。原材料についても、ひとつひとつの成分を確認し、「安心・安全」と判断できるものを使用しています。長年、学校給食のパンを製造してまいりましたので、「子どもたちが毎日食べても安心なパン」であることには特にこだわりを持っています。これからも、お客様に自信を持ってお勧めできるパンづくりを続けてまいります。

かもめパンのこだわり

~安心・安全な「無添加パン」へのこだわり~

 

 

 

無添加パンへのこだわりもあるのですね。

 

最近は添加物を気にされるお客様が増えているように感じます。「イーストフードを使っていないか」「アルミニウム不使用のイーストかどうか」といったお問い合わせも多くいただきます。弊社では、イーストを含め原材料の成分を一つひとつ確認し、安全であると判断できたものを使用しています。それでもより無添加にこだわりたいというお客様には、「天然酵母シリーズ」のパンをおすすめしています。私自身も子どもが生まれてから、無添加や無農薬といった“食の安全”を意識するようになりました。

 

 

確かに、子どもに添加物の多いものを食べさせたくないですよね。

かもめパンでは100%無添加のパンを作っているのですか。

 

はい、かもめパンでは「100%無添加の天然酵母パン」を製造しています。ただし、天然酵母の生地自体は無添加でも、中に使用するフィリング(クリームや具材など)まで含めて「すべてが無添加」と言い切るのは難しいのが現実です。それでも、できる限り添加物を使わないパンづくりを目指し、「100%無添加パン」への取り組みに力を入れています。

かもめパンのこだわり

~手作りへのこだわり~

 

 

 

他にもこだわりがあれば教えてください。

 

 

なるべく職人が手をかける、ということでしょうか。かもめパンは工場でパンを大量生産していますので、パン職人が少ないのではないかと思われているようです。しかしパン職人は大勢いますし、沢山の手作りパンを作っています。あんパンなど1つ1つ丁寧に職人が手作りしています。機械でやると味が落ちるので、それでは妥協できない。「手をかけて美味しいものを作る」というのが創業以来の理念です。

「美味しいパン」

「安心・安全なパン」

「食べて健康につながるパン」

 

 

 

「手をかけて美味しいものを作る」という創業以来の理念を持って、パン職人の人たちが丁寧に手作りしているのですね。

「美味しいパン」ができるのも納得です。最後に今後の取り組みを教えてください。

 

 

今までお伝えした「美味しいパン」「安心・安全なパン」という点では、すでに自信をもって皆様に商品をお勧めすることができます。

今後は「食べて健康につながる」という点をより意識して、商品開発に取り組んでいきたいと考えています。ライ麦の成分が身体に良いという研究結果を知り、そこから開発した「天然酵母のライ麦食パン」は大変ご好評をいただいております。これからも、素材の良さを生かしながら、健康の面にも配慮したパンづくりを進めていきます。そして、お子さまからご年配の方まで、毎日の食卓に笑顔を届けられるようなパンをお届けしていきたいと思います。